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はじめに
昨年10月1日現在で実施された平成9年就業構造基本調査について、名古屋市分の結果がまとまりましたので公表します。
1 有業率は男女ともに5年前より低下、男は78.0%で過去最低に
平成9年10月1日現在の本市の15歳以上人口1,837千人のうち、有業者は1,177千人で15歳以上人口に占める割合(有業率)は64.1%となり、5年前に比べ2.3ポイント低下した。有業率を男女別にみると、男は78.0%で前回より2.8ポイント低下し、過去最低の数値となった。また女は50.4%で前回より1.7ポイント低下した。(図1-1)
年齢階級別では、男の20歳代後半から50歳代後半まで各年齢階級ともほぼ95%前後の高い比率を示しており、若年齢層及び高年齢層で低くなっているが、55から59歳を除くすべての年齢階級で5年前に比べ比率が低下している。
一方、女では30歳代前半を底(51.3%)とするいわゆるM字型曲線を描いており、25から34歳と55から59歳の各階層で5年前に比べ有業率が上昇しているが、特に25から29歳と55から59歳においては、10年前に比べそれぞれ14.4ポイント及び12.2ポイントの大幅な上昇を示している。(図1-2)
(中略)
6-2 「45から54歳」で「人員整理・会社解散・倒産のため」の退職者が顕著に
新規就業率を年齢別にみると、男女とも15から19歳が60%を超え、年齢とともに数値は低下しているが、総じて女の方が男より数値が高くなっている。また、60歳以上の年代では定年後の再就職者の増加を反映して比率がやや高まっている。
これに対し継続就業率では、男は15から19歳の30.8%から30から34歳の94.9%へと数値が急上昇し、30歳以上のすべての年代において95%前後で推移しているが、女は年齢の上昇とともに数値がゆるやかに上昇し、60歳以上で男女の数値が逆転している。(図6-2)
転職率を年齢別にみると、男女とも15から19歳が最も高く、年齢とともに数値は低下しているが、男では定年の年齢である60から64歳で数値が高くなっている。一方、女は一般に出産、育児期間の終了を迎える35から39歳でいったん数値が上昇し、以後ゆるやかに低下している。(図6-3)
離職率の年齢別は、男では15から19歳をピークに年齢とともに低下し、60から64歳で上昇するU字型曲線を示しているが、45から49歳で比較的数値が高くなっており、ここ数年の雇用情勢の悪化によるリストラの影響が見受けられる。
一方、女は結婚、出産、育児に当たる者の多い25から34歳で高くなっている。(図6-4)
平成4年以降前職を辞めた者の辞めた理由別構成比をみてみると、男は「定年などのため」19.8%、「労働条件が悪かったから」14.7%、「人員整理・会社解散・倒産のため」10.2%の順で、女は「結婚のため」13.1%、「病気・高齢のため」10.7%、「育児のため」10.3%の順となっている。
年齢別では、45から54歳で「人員整理・会社解散・倒産のため」が、男20.0%、女16.1%となっており、長引く不況による雇用調整が中高年層に及んでいることをうかがわせる。
また、男女とも若い年代で「労働条件が悪かったから」、「自分に向かない職業だったから」といった理由により、前職を辞めた者が比較的多くなっている。
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